人事考課の低さを理由とする雇止め
航空会社客室乗務員雇止め事件
(第1審 東京地裁平成21年12月14日判決)
(控訴審 東京高裁平成22年10月21日判決)
<事件の概要>
期間1年の労働契約を2回更新している客室乗務員(原告)は、立ち放しの地上勤務後の乗務では安全上問題があると課長に抗議して翌日欠勤したが、その後抗議と欠勤について始末書を提出し、さらに業務安全読本を紛失して始末書を提出した。
原告は面接において、欠勤日数が多いこと、始末書を2度提出していることを指摘され、「135人中107位、ランクC」と評価され、新年度契約を更新しない旨通告された。
原告は、被告に対し、「会社都合により一方的に契約満了とされたから退職する」旨の退職届を提出したものの、被告は原告の抗議に対する報復として業務評価を窓意的に低く抑えて雇止めを断行したものであるから、同雇止めは無効であるとして、被告における貸金と再就職後の貸金との差額及び慰謝料100万円を請求した。
<第1審判決要旨>
原告が、疲労状態での乗務不安を感じたという点は理解できなくもないが、だからといって抗議目的で欠勤までするのは行き過ぎであり、−定のマイナス評価を受けてもやむを得ないものと考えられる。
原告は被告が欠勤の問題を恣意的に評価したと主張するが、更新・不更新の判断は15に凝ぷ項目を数値化した上で所定の基準に従い成績下位者から雇い止め候補者を抽出しで検討するなどしており、一定の公正さが担保されているということができる。
また原告は、業務安全読本を紛失して始末書を提出したことがあり、これによれば、被告が業務内容の変更に抗議をした原告らに対する報復として悪意的に評価を低くして雇止めを断行したとは認めがたいから、被告の不法行為は成立しない。
本件は原告から控訴されたが、控訴審では基本的に原審と同じ立場に立って控訴人(第1審原告)の請求を棄却している。
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