遠隔地転勤命令拒否で退職

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遠隔地転勤命令拒否で退職

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遠隔地転勤命令拒否で退職

茨城(合成樹脂簡易食品容器製造会社)配転拒否退職強要事件

(第1審 水戸地裁下妻支部平成11年6月15日判決)

(控訴審 東京高裁平成12年5月24日判決)

<事件の概要>

合成樹脂簡易食品容器の製造販売を業とする被告は、平成8年10月下旬、茨城の関東工場の従業員10名に対し、本社(福山)工場に転勤するよう要請し、転勤できないならば退職するよう強く申し向けた。

被告は、同年11月下旬及び12月上旬、本件転勤について説明会を開いて本社工場の人員不足を説明し、「福山に行けない人は辞めてもらう」との強硬な姿勢を示したため、原告D、E、F(原告Dら)は退職届を提出した。

一方、原告A、B、C(原告Aら)は、配転効力停止等仮処分の申立てをしたが、転勤命令はまだ出ていないことから、保全の必要性を欠くとの理由で却下された。

被告は、平成9年3月2日、生産部門はすべて分社会社に業務委託すると通告したことから、原告Aらは、これは戦力外通告であるとともに、訴訟に対する報復と感じ、かかる被告の行為に耐えかねて体調を崩したこと、分社においても採用されないと思ったことから、同年4月ないし5月に退職の意思を表示した。

原告らは、被告の退職強要による退職の無効を主張し、被告に対し、得べかりし賃金及び退職金の支払いを請求するとともに、慰謝料を、原告Aらに対し各200万円、原告Dらに対し各100万円を支払うよう請求した。

<第1審判決要旨>

分社会社は独立性がなく、分社の人選もれはイコール転勤であるところ、分社の人選の合理性について何らの説明がされていないことから、手続的に問題があるだけでなく、福山への転勤の募集もしていないし、他の者へ当たってもいないことから、合理性もない。

また、原告らは現地工場採用のブルーカラー労働者であって、勤務地が契約上限定されており、採用面接時において将来転勤がありうる説明を受けていないことからすれば、原告らに就業規則に基づく転勤義務は存しない。

にもかかわらず、被告はあたかも原告らにこれに応ずる義務があるかのように誤信せしめ、原告Dら3名を退職届を提出する立場に追い込み、原告Aら3名に対しても、従来女子パートが担当していた日勤の業務を割り当て、早く辞めろとの明示、黙示のプレッシャーをかけて人格、名誉を傷つけたこと、被告は本件転勤要韓に先立ち、関東工場の女子正社員の希望退職を募集し、退職金の割増しをして原告らとの差別をしたこと、被告は原告らに射し、地元で労働条件も同一の関連会社への出向を斡旋したが、それは悟頼を回復するものとはいえないこと、原告らは被告の虚偽、強圧的な言動や執拗な退職強要・いやがらせによって退職のやむなきに至ったことが認められる。

そうすると、平成8年10月以来の被告の原告らに対する−連の処遇は、少なくとも使用者としての職場環境を配慮すべき義務に反するものであって、原告らの権利を侵害したものであるから、債務不履行ないし不法行為を構成するというべきである。

被告の諸々の不当な扱いや差別・嫌がらせその他一切の事情を斟酌した上、得ペかりし賃金が受けられることを考慮すると、慰謝料は、原告Aらについては各100万円、原告Dらについては各50万円が相当である。

<控訴審判決要旨>

被控訴人(第1審原告)らの本社工場への転勤は、控訴人(第1審被告)の経営合理化の一環として行われることとなった関東工場の分社化に伴って生じる余剰人員の雇用を維持しつつ、本社工場に新設された生産部門への要員を確保すべく計画されたものであって、合理的なものと認められ、被控訴人らを転勤要員として選定した過程に格別不当な点があったとは認められない。

被控訴人らが遠方へ転勤することについて、就業規則上、会社は業務上必要があるときは転勤を命じることがあり、社員は正当な理由なくこれを拒むことができない旨明記されているのであって、被控訴人らもこれを承知した上で勤務してきたものと認められ、被控訴人らが転勤に応じられない理由として述べた個別事情も、それ自体転勤拒否の正当な理由に当たるとまではいえない。

控訴人は、経営合理化を図らぎるを碍ない事情と、会社がそのために採ろうとしている経営方針等を従業員に周知させるとともに、平成8年10月下旬以降、被捷訴人らに対し、関東工場の生産部門を分社化せぎるを得ない事情や新設の製造部門の重要性とその要員として被控訴人らを転勤させる必要牲を説明し、被捜訴人Aら3名に対する転勤命令の発令を本人らの同意が得られるまで延期する措置をとるとともに、同3名に福山への出張を命じたりするなど、円滑に本社工場に転勤できるよう、また同3名については、関連会社に出向という形で就職できるよう最大限の努力をしたものと認められる。

そうだとすれば、控訴人が被控訴人らを本社工場に転勤させようとしたことに、人事権の行使として違法ないし不当な点があったと認めることはできない。

被控訴人Aらはさまざまな嫌がらせを受けたと主張する。

従来女子パート従業員が行っていた業務を担当させられ、無理な作業姿勢を余儀なくされた点については、作業テーブルの高さは男子でも作業に著しい支障が出るほどではなかった上、被控訴人Aらは主にその後の工程である包装作業をしていたことが認められる。

残業がなくなったのは、その必要性がなかったと推認するはかない。

他の従業員から「いつまでいるんだ」などの陰口をきかれた点については、仮にそのような事実があったとしても、控訴人が従業員にそのようなことをさせていたことを認めるに足りる証拠はない。

以上のとおり、被控訴人Bら3名はあとより、被控訴人Aら3名も自己都合により退職したものと認めるほかなく、退職の過程で人事権の違法ないし不当な行使があったと認めることはできず、控訴人による報復や嫌がらせがあったとの事案も認めることができないから、控訴人に債務不履行ないし不法行為があるとの被控訴人らの主張は理由がない。


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