インチキ商法を批判して叱責と解雇
化粧品販売等会社美容カウンセラー解雇事件
(東京地裁平成20年11月11日判決)
<事件の概要>
化粧品や医薬品の販売等を業とする被告会社に勤務する女性カウンセラー(原告)は、被告会社が、医薬品でないのに医薬品的な効能を述べるセールスマニュアルをカウンセラーに配布して高額商品を販売させていたことから、部長(被告B)や課長(被告C)に質問したところ、不平分子とみなされた。
顧客から「詐欺商法」と抗議を受けた原告は、被告Bに指示を仰いだ上、解約に応じたところ、その後専務(社長である被告Aの夫)から強く非難・罵倒され、カウンセラーの中でもいじめを受けるようになった。
さらに原告は、元のテレフォンアポインターに移るよう指示されたのに対し、文書での命令を求めたところ、「あなたがいると会社が潰れる」と強く言われ、会社からの退去を命じられたことから、うつ状態に陥った。
被告会社は、原告に対し退職届を出すよう求め、原告が腰痛とうつ病で出社できないと伝えたところ、無断欠勤を理由に原告を解雇した。
原告は、不当に売りつけられた商品の代金のほか、被告らによるいじめ、退職強要による精神的苦痛に対する慰謝料500万円、1年分の逸失利益225万円余等を被告らに請求した。
<判決要旨>
専務、被告B及び同Cが、原告に射しその人格を否定するような罵倒やいじめを行った認められる。
また、被告会社が原告をテレフォンアポインターに正社員として配置換えしたのか、降格したのか必ずしも明らかでないが、たとえ配置換えの趣旨であったとしても、原告に正社員であることを説明していないとすれば、原告を退職させるよう仕向けるための降格と捉えるのは無理からぬものがあり、被告B及び同Cは、上記不法行為により原告に射し損害を与えたというペきである。
専務や被告Bは、商品を理解するためと称して、特にカウンセラーになってから原告に商品購入を強く申し向け、原告はやむを得ず購入したと認められるが、これは使用者としての立場を利用して、仕事に絡めて従業員に不要な商品を購入させるものであるから、公序良俗に反する商法であり、不法行為を構成する。
本件事案の内容その他一切の事情を考慮すると、慰謝料は80万円が相当であり、席巻は1年間は就労できなかったと認められるから、基本給1年分を逸先制益として認める。
また、商品代金18万円余を不法行為による損害と認める。
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