懲戒処分の制限
労働基準法では、あらかじめ違約金や損害賠償額を定めることは禁止されています。
しかし、この規定は、実際に会社が被った損害ではなく、事前に定めた金額を徴収することを禁止するものであり、実際にかかった損害額を社員に賠償させることを禁止したものではありません。
この場合には、実費徴収となりますが、損害額の100%を社員に負わせることは難しく、会社の教育、指導が徹底されていたか、無理な業務ではなかったかなどを考慮して損害賠償額は減額されてしまいます。
懲戒処分で減給を行う場合には労働基準法の制限があります。
その制限とは、1回の事案に対して減給の総額が平均賃金の1日分の半額以内であること、1賃金支払期間に対して減給の総額が賃金総額の10%まで、です。
実際に働いていない時間に対しては賃金の支払義務はありませんので、遅刻などで減給する場合は、遅刻した時間分の賃金だけの減額であれば減給の制裁にあたりませんし、また、降格処分に伴い給与が減額される場合は、会社の有する人事権の行使にあたり、減給の制限は受けません。
1件の不祥事に対して重ねて懲戒を行うことはできず、例えば、遅刻をして始末書を提出しないからといって、さらに減給を上乗せするといった行為です。
懲戒処分を行うには、該当する事実の確認と本人の弁明を聞くことが必要で、事実の確認をおろそかにしたり、本人に弁明の機会を与えずになされた懲戒処分は無効となります。
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