解雇が禁止される場合
労働基準法では、労働者が解雇されると次の職場を探すことが困難な時期について、その期間の解雇を禁止する規定があります。
この規定により、解雇してはいけない期間として、業務上の傷病により休業している期間とその後30日間、産前産後の休業と、その後30日間が解雇禁止期間として定められています。
解雇禁止期間中に懲戒解雇に該当する行為をしたとしても解雇はできません。
ただし、業務上の傷病の場合は、休業期間が長引くと会社の負担も大きいことから、療養の開始後3年を超えても治癒しない場合には、打切補償として平均賃金の1200日分を支払うか、労災保険の傷病補償年金を受ける場合には、解雇ができます。
会社が天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合には、労働基準監督署長の認定を受ければ解雇禁止期間中の労働者であっても解雇が可能とされています。
このやむを得ない事由とは、単に業績不振など会社に責任のあるものではなく、地震等の天災に準じる程度の不可抗力に基づき、かつ突発的な事由で、会社としても不可抗力と呼べるほどの困難な事態をいいます。
<解雇を禁止する法律>
@不当労働行為となる解雇(労働組合法7条)
労働者が労働組合員であること、労働組合を結成しようとしたこと、労働組合の正当な権利を行使したこと、労働委員会に申立を行なったこと理由とする解雇。
労働委員会とは、労働組合と事業主との間に生じる労使紛争を中立的な立場で解決するために設けられた公的な機関。
A国籍、信条、社会的身分を理由とする解雇(労働基準法3条)
労働者の国籍、信条、生来の身分を理由とする解雇。
B労働基準監督署等に申告、申し出したことを理由とする解雇(労働基準法104条)
C性別を理由とする解雇(男女雇用機会均等法6条4項)
D妊娠中及び出産後1年以内の女性(労働基準法19条)
妊娠・出産が解雇の理由でないと会社が証明できれば解雇可。
E妊娠、出産、育児休暇、介護休暇を理由とする解雇(男女雇用機会均等法9条3項)
F企画業務型裁量労働制の対象となることに同意しないことを理由とする解雇(労働基準法38条の4)
G公益通報を理由とする解雇(公益通報者保護法3条)
公益通報とは、そこで働く労働者が、不正の目的ではなく、事業者について法令違反行為を生じ、または、生じようとしている旨を、「事業者内部」、「行政機関」、「その他事業者外部」のいずれかに通報すること。
H個別労働関係紛争に関し、あっせん申請をしたことを理由とする解雇(個別労働紛争の解決の促進に関する法律4条、5条、パートタイム労働法21条、22条) |
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