派遣法対象外の派遣労働者
他企業の労働者を労働力として利用する形態として、たとえばデパートやスーパーマーケットでのいわゆるケース貸しに見られる「派遣店員」があります。
この派遣店員は、勤務する場所がそれらの大型店の中に設けられたところではあるが、その売り場がそれぞれの自企業(派遣元)の事業場です。
したがって、これらは他企業からの労働者の受入れとはならず、派遣法でいう派遣労働者には該当しません。
また、老人、身体障害者等に対する家庭奉仕派遣事業や母子家庭等介護人派遣事業、盲人ガイドヘルパー派遣事業等その他これに準ずる社会福祉関係の個人を派遣先とする派遣事業については、「派遣」という名称とは無関係に、@派遣元が国、地方公共団体、民間のいずれかであるかを問わず、また、A派遣先が不特定多数の個人であるか、特定の会員であるかを問わず、労働者派遣とはされません(取扱要領第1、1(8))。
建築業等などでは数社が共同して同一の業務を処理するために、共同企業体、いわゆるジョイント・ベンチャー(以下JVという)を結成することがあります。
この共同企業体は、民法上の組合の一種(667条)ですが、JVの構成員が自己の雇用する労働者をJV参加の他社の労働者等の指揮命令の下に従事させたとしても、構成員の雇用する労働者を他人の指揮命令を受けて、自己のために労働に従事させるものであり、この場合も労働者派遣には該当しません(取扱要領第1、1(6))。
船員とは一般的に船舶に乗り込み、航海を始め船舟自上の労務に従事する者のことをいいますが、船員法では、船内で使用される船長以外の乗組員で労働の対償として給料その他の報酬を支払われる者を「海員」といいます。
船舶という特殊な事業場で独特な就労形態を採ることから労基法で定める規定も一部を除き適用されません。
船員派遣については、船舶職業安定法の定めるところによることになっており、したがって船員については派遣法は適用されません(法3条)。
一般労働者に係る管轄行政庁は厚生労働省であるが、船員については国七交通省が管轄します。
<派遣労働者でなくとも派遣と称する職種に就業する者の例>
業務請負あるいは出張等で本来的な「派遣労働者」に該当しない場合であっても、外形上などから「派遣」と称する職種に就業する者もいます。
@デパート等内の専門店で主として宣伝・販売促進員として働く派遣店員、マネキン販売員など
A要介護者の居宅で介護の世話をする派遣ヘルパー
BJV(共同企業体)で働く各JV参加企業から派遣される労働者
C派遣船員
D大規模災害時に派遣される救助等を目的とした自衛隊員や医師団
E外務省委嘱在外公館派遣員・技術派遣員
Fバンケツトコンパニオン
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