派遣元事業は2種類
労働者派遣事業は、労働者派遣事業を行う派遣元の事業形態により、一般労働者派遣事業と特定労働者派遣事業の二者に分けられます。
一般労働者派遣事業では、派遣で働きたい人を募り、氏名や希望する業務、職業能力、経歴等をあらかじめ登録しておきます。
このことから別名「登録型」の派遣事業ともいいます。
そして、労働者派遣の依頼を引き受けたときに、派遣元は登録している労働者の中から派遣希望先の要請と登録者の登録内容を考慮した上で、派遣先の示す条件に近い労働者を選ぶことになります。
その労働者の承諾が得られたら、派遣元はその労働者と派遣労働契約を結び、派遣先に就業させます(法2条四号)。
労働者派遣事業の典型的な形態です。
これに対し、特定労働者派遣事業とは、常時雇用する労働者(常用雇用労働者)だけを労働者派遣事業の対象として取り扱う派遣事業です(法2条五号)。
このことから「常用型」の派遣事業ともいわれています。
一般労働者派遣事業では、派遣先が見つかった場合に始めて登録していた者と労働契約を結んで雇用され、賃金が支払われることになります。
派遣労働者からみれば雇用の保障がなく、不安定な状態を覚悟しなければなりません。
このため特定労働者派遣事業よりも厳しい法規制と事業者要件が必要とされます。
この事業を行うためには、厚生労働大臣の許可を受けなければ
なりません。
許可申請は、一般労働者派遣事業を行おうとする派遣元事業主が行い、その事業主の主たる事務所を管轄する都道府県労働局を経由して厚生労働大臣に申請書を提出します(法5条)。
無許可で一般労働者派遣事業を行うと、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます(法59条)。
特定労働者派遣事業は、派遣元事業主が常用雇用の労働者だけを派遣するものです。
「常用雇用される」とは、労働契約の形式の如何を問わず、事実L期間の定めなく雇用されている労働者をいい、その判断基準は別途の基準によります。
特定労働者派遣事業にあっては、派遣労働者として雇い入れたがそれに見合う業務がなく労働者を派遣できない場合でも、派遣元では賃金を支払うなどの処遇が要求されます。
特定労働者派遣事業を行おうとする派遣元の事業主は、その主たる事務所を管轄する都道府県労働局を経由して厚生労働大臣に届出書を提出します(法16条)。
許可は不要です。
なお、無届で一般労働者派遣事業を行うと、6か月以下の懲役または30月円以下の罰金が科されます(法60条)。
また、特定労働者派遣事業の中に派遣事業の2形態「常用雇用される」労働者以外の者が1名でもいるときは、一般労働者派遣事業となります。
一般労働者派遣事業となるかならないかの判断は、事業所単位で判断されるので、たとえば、1つの法人が複数の支店を有している場合などで「一般」と「特定」の両方の事業があるときは、許可と届出の両方をもって対処しなければなりません。
支店や営業所などがあって事業所が複数ある場合は、本社などの主たる事業所が一括して許可または届出が可能です。
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