派遣契約書に時間外休日労働の記載

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派遣契約書に時間外休日労働の記載

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派遣契約書に時間外休日労働の記載

労働者派遣にあっては、派遣元においての三六協定の締結・届出という枠組みが設定された上で、派遣先は時間外労働等を派遣労働者に命じることができます。

派遣先が派遣労働者に命じることのできる時間外・休日労働は、派遣元で締結されている三六協定の範囲内(期間に応じた限度基準あり)に限られることになります。

以上のことを踏まえて、派遣元と派遣先との間で結ぶ労働者派遣契約書には時間外・休日労働に関する取決めが記載されなければなりません(法26条1項、則22条二号)。

労働者派遣契約書における記載条項を遵守し、法違反を防止するためにも、派遣先、派遣元は派遣労働者の労働時間に係る連絡体制を確立し、その調整を的確に行わなければなりません(法31条、派遣元指針第2の5、派遣先指針第2の11)。

なお、また、派遣先は派遣労働者の「就業した日ごとの始業・終業の時刻、休憩時間の実績」を派遣先管理台帳に記載するとともに、月1回以上定期的に派遣元に通知することが義務付けられています(法42条3項)。

派遣元は時間外・休日労働に閲し、三六協定を結び、労働者派遣契約書に記載するのみならず、労基法15条および派遣法34条の定めるところにより派遣元が派遣雇用時に派遣労働者と締結する就業条件明示書にも、時間外・休日労働の有無、延長できる時間、出勤できる休日などのその内容を記載し、派遣労働者に説明しておかなければなりません。

これにより、派遣労働者には、その明示書に記載されている内容を超える時間外・休日労働をさせてはなりません。

派遣先において、派遣中に違法な時間外労働をさせたとしても、それが事実であれば派遣元はその時閣外労働に対する割増賃金を支払わなければなりません(昭61年基発333号)。

たとえば、派遣元において三六協定の締結・届出がないにもかかわらず、派遣先で時間外労働あるいは休日労働をさせた場合等はこれに該当します。

割増賃金率は以下の通りです。

@通常の時間外労働 25%以上

A1月当り60時間を超える時間外労働

25%以上十25%以上=50%以上

下線部分は有給休暇での付与でも可。(ただし、この規定は中小企業にあっては平成25年4月1日以降に検討が行われるまで実施猶予)

B休日労働  35%以上

C深夜労働 25%以上(時間外労働が深夜に及ぶ場合は、25%以上+25%=50%以上、深夜労働が休日に行われる場合は、25%以上+35%以上=60%以上)

派遣先の事業場が地震・火災などにより通常予測することが困難な非常災害が発生し、消火活動、後始末等のために臨時の必要性から派遣労働者を使用し、それが時間外・休日労働あるいは深夜の時間帯に行われる場合は、派遣先が事前に労基署長の許可を受ける義務を負います。

事態緊迫のために許可を受ける暇がなく、事後に届け出る場合はその義務も派遣先が負います(昭61年基発333号)。

なお、復旧のための後始末の作業は、臨時の必要の限度を超えるため非常時の時間外労働とはなりません。


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