派遣労働者を直接雇用
紹介予定派遣とは、派遣の開始前または開始後に、派遣元が派遣労働者および派遣先に対し、職業紹介をすることを予定して派遣就業させるものをいいます(法2条六号)。
派遣法においては前述した通り、派遣先は派遣労働者を特定することを原則的に禁止しているが、派遣法26条第7項のかソコ書きで紹介予定派遣についてこの適用を除外して、派遣労働者を特定することを認めています。
本制度を活用することにより、派遣労働者は、派遣先の仕事の内容や会社の雰囲気を理解した上で就職することができる一方、派遣先にとっては当該労働者の適性や業務遂行能力等を見極めた上で、その者を直接雇用できるかどうかを容易に判断できるメリットがあります。
紹介予定派遣中はトライアル雇用(試行的短期間の雇用)的な実質的に試用期間に等しい労働者派遣であり、紹介予定派遣は、制度的に労働市場における雇用のミスマッチ解消になるとも考えられています。
ただし、労働者の特定の制限を解除するといっても、性別、年齢については所定の制限があります。
派遣先は当該労働者の性別・年齢によって差別行為を行うことのないように均等法、雇用対策法上の詳細な規定も遵守しなければなりません。
紹介予定派遣は、労働者派遣を開始する時点において派遣労働者と派遣先の意思を確認し、同意を得て行う場合に限り可能です。
紹介予定派遣を行うに当たっては、派遣期間6か月を超えて同一労働者の労働者派遣を行うことはできません(派遣元指針第2の12(1))。
なお、紹介予定派遣契約であっても、6か月後に必ず雇用しなければならないというものではなく、制約はあるが、派遣先は、派遣就業期間中に採用内定を行うことも可能です。
紹介予定派遣にあっては、一般の洲動者派遣が禁止されている医療関係業務への派遣は一定の条件の下で認められています(令2条1項カッコ書)。
派遣元は、期間を定めて雇用する派遣労働者等のいわゆる有期雇用派遣労働者等の希望に応じ、以下のいずれかの措置を講ずるように努めなければなりません(法30条)。
@当該有期雇用派遣労働者等を期間を定めない派遣労働者として雇用する機会を確保し、その機会を提供すること。
A派遣元が職業紹介を兼業している場合は有期雇用派遣労働者等を紹介予定派遣に係る派遣労働者として雇い入れること。
B斯間を定めない労働者へ転換するための教育訓練、その他の必要措置を講じること。
派遣元が紹介予定派遣を行なうには、労働者派遣事業としての許可または届出のほかに有料職業紹介事業に係る厚生労働大臣の許可を受け、労働者派遣業と兼業することになります。
有料職業紹介事業とは、手数料または報酬を受けて行う職業紹介事業をいいます。
この有料職業紹介事業者になれば職安法32条の11の規定により、求職者に紹介してはならないものとされている職業(港湾運送業務および建設業務等)以外の職業について紹介を行うことができます。
有料職業紹介事業の許可基準としては、@事業を健全に遂行するために必要な所定の財産的要件を満たすこと、A個人情報の適正管理と求職者の秘密を守る必要措置が講じられていること、B申請者および役員(法人の場合)が欠格事由等に該当しないことなどのいずれにも該当する必要があります(職安法31、32条)。
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