妊娠中の派遣労働者
均等法は雇用の分野における男女の均等な機会および待遇の確保を図ることのほか、就業中の女性労働者に関して妊娠中および出産後の健康の確保を図ることを目的として母性健康管理についての規定も設けています。
一方、派遣法においてはこの母性健康管理に関する均等法の規定の適用を特例により認めています(法47条の2)。
これにより、派遣先には妊娠中および出産後の女性派遣労働者に対し、その雇用管理上・指揮命令上の責任が負わされます。
派遣先において女性派遣労働者を妊娠・桝産・産休の取得等の均等法則2条の2で定める事由を理由にして不利益取扱いをすることは、禁止されます(均等法9条3項)。
たとえば、妊娠した派遣労働者が派遣契約に定める役務提供ができるにもかかわらず、派遣先が派遣元に対し、派遣労働者の交替を求めたりする行為や、派遣元に対し派遣を拒む行為などは、不利益取扱い行為として禁止されます。
不利益取扱いの禁止のみならず、派遣先においては、妊娠中および出産後の女性派遣労働者が、母子保健法の規定により保健指導または健康診査を定期的に受診するために必要な時間を次の頻度で確保できる措置を講じなければなりません。
【妊娠中】
妊娠23週までは、4週に1回
妊娠24週〜35週は、2週に1回
妊娠36週〜出産までは、1週に1回
【産後】
出産1年以内の時期に、医師等の指示に従い、指導・健診に必要な時間を確保しなければなりません(均等法12条、同則2条の3)。
さらに派遣先は、妊娠中・出産後の女性派遣労働者が健康診査等を受け、医師から指導を受けた場合には、その指導を守ることができるようその女性派遣労働者の勤務時間の変更や休憩時間の延長・変更等を通じ、勤務の軽減策等を講じなければなりません(均等法13条)。
医師の指導内容を確認する方法として「母性健康管理指導事項連絡カード」(母子健康手帳に様式の記載あり)が用いられたりします。
<均等法則2条の2に定める妊娠または出産に関する事由>
@妊娠または出産したこと
A母性管理措置を求め、またはその措置を受けたこと
B坑内業務、危険有害業務に就けないこと、または就かない旨の申し出をしたこと、または就かなかったこと
C産前休業を請求し、休業したこと、または産後に就業できないこともしくは産後休業をしたこと
D軽易業務への転換を請求し、または転換したこと
E時間外等に就業しないことを請求し、または時間外等に就業しなかったこと
F育児時間を請求し、または取得したこと
G妊娠・出産に起因する症状(つわり、切迫流産、出産後の回復不全など)により労務提供ができなかったこと、または労働能率が低下したこと
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