労働派遣が禁止される業務
派遣法の平成11年の改正により、原則自由・例外禁止となった以後も禁止の業務は法改正の都度徐々に減少して来ており、現在の労働者派遣の適用除外業務の範囲は次になります(法4条)。
<労働者派遣事業の適用除外業務(禁止業務)>
以下の業務は、労働者派遣事業の適用除外業務として、一般労働者派遣事業であると特定労働者派遣事業であるとを問わず、労働者派遣事業を行ってはならない(法4条、令1、2条、取扱要領第2)。
@港湾運送業務
A建設業務
B警備業務
C医療関係業務(紹介予定派遣、社会福祉施設等業務、へき地における医業は除く)
D人事関係業務で次のもの(派遣先において、団体交渉や労使協議に使用者側の直接の当事者として行う業務)
E弁護士、外国弁護士(税理士、社会保険労務士等は一定条件の下に平成19年4月より解禁されている)
F建築士法に基づく管理建築士
ここで注意すべきことは、派遣禁止の規定は派遣先で行う「業務」に関してであって、派遣が禁止されている業務を行っている「事業所」への派遣そのものが全面的に禁止されているものではないということです。
たとえば建設業務が派遣禁止業務に指定されているからといって、その企業における事務職や営業職の仕事は禁止の範囲に含まれるものではありません。
禁止されている建設業務とは、直接の土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊、解体作業またはこれらの準備作業に携わる業務などであって、建設会社の経理部門や営業部門などの事務業務は該当しません。
派遣業務については、派遣契約や就業条件明示書に記載することになっています(法26、34条)。
しかし、派遣法の数次にわたる改正により派遣対象業務が拡大されてきたこともあって、受入れ側には業務を厳密に特定する意識が希薄になっている面が見られます。
ところが、付属的な業務との関係もあって、事務一般というような一括りで派遣契約を締結してしまうと、その後に派遣労働者との間でトラブルを生むことにつながりやすいのです。
また、業務内容が不明確なまま派遣契約を締結すると、希望する能力を持たない派遣労働者が派遣されてくる可能性もあります。
派遣契約を締結する前に、派遣元の営業担当者などと十分に話し合って、派遣先として求める人材像を明確に伝えることが重要です。
業務そのものは適法であっても法律の運用上から派遣が規制されるものがあります。
たとえば、労働争議でストライキ中の派遣先には労働者派遣を行うことはできません(法24条)。
これを認めれば、争議の当事者の一方に加担することになり、中立性を欠くことになるからです。
ただし、争議の際に現に派遣を受けている場合にその派遣労働者数の派遣を受けることは認められます。
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