労働保険の被保険者資格の確認
労働保険には、労働者災害補償保険(以下労災保険と略す)と雇用保険の2つがあります。
労災法3条においては、「労働者を使用する事業を労災保険の適用事業とする」とあります。
これにより、派遣労働者と使用者関係にある派遣元は、1人でも使用する労働者がいるときには労災保険の適用事業所となります。
したがって、労災保険の適用・運用関係は派遣元にその義務が課せられ、労災保険料も派遣元にて全額負担し納付します。
派遣労働者が派遣先で労災事故に遭った場合には、派遣元の労災保険により補償を受けます。
しかし、労災事故は派遣労働者が就業する派遣先の管理下において起こるとの実態を踏まえ、派遣法45条の特例により、派遣先に安全配慮義務上の賠償責任を負わせています。
それだけに、派遣事業の当事者は、普段から事故防止に心掛け、業務上災害または通勤災害が発生した場合は、派遣先は派遣元に対し速やかに連絡し、再発防止策等も踏まえ事故後も引き続き当該確災者の就業状態・身体状況等につき綿密な連絡を取り合うことが要求されます。
なお、労災保険は属地主義の原則がとられるため、海外派遣労働者はその保護の対象とされません。
雇用保険の保険関係も、派遣元において成立することになっており、派遣元は労働者派遣をするときは、派遣労働者が被保険者となったことの確認の有無を派遣先に通知しなければなりません(法35条)。
雇用保険では、1週間の所定労働時間が20時間以上で、その者が31日以上引き続き雇用されていることが見込まれれば、雇用保険の被保険者となります。
2か月以内の労働契約の場合には被保険者の適用除外となるが、2か月以内の派遣を繰り返すことで、派遣契約が東新し継続される場合は、2か月を超えると見込まれた時点で加入することになります。
また、加入後に派遣契約が終了した場合でも、次の派遣契約の開始まで1か月以内であれば、被保険者資格は継続されます。
反対に、季節的事業に雇い入れられる者は適用除外となり、65歳以上の者は新たに加入できません。
雇用保険の保険料は労働者も原則としてその2分の1を負担します。
労災保険の保険料率は事業の種別ごとに細かく規定されています。
派遣業の場合には派遣業としてではなく、派遣先事業所での作業実態に基づいて決定されます。
複数の業務に派遣したり複数の派遣先に派遣している場合には、派遣労働者の数、賃金総額からメインの事業が判断され、その事業に適用される保険料率となります。
雇用保険の料率も業種によって異なりますが、労災保険と違い労働者派遣業は一般の事業として分類され、単一の保険料率が適用されます。
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