派遣先や派遣元の倒産

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派遣先や派遣元の倒産

派遣先が倒産した場合は、派遣先と派遣元間に取り交わされている労働者派遣契約は解除されます。

したがって、登録型派遣労働者の場合には派遣元からも解雇されるのもやむを得ない事由として認められることとなります。

しかし、常用型派遣労働者の場合には、派遣元と労働者間の労働契約は解除されません。

すなわち労働者派遣においては、派遣先の倒産は使用者の倒産ではなく、派遣元が正常に存在する限りは、労働契約の解約に直結するものではありません。

とはいっても、派遣中に派遣先が倒産したことにより、派遣中の労働者が就業している業務が消滅することは現実であり、派遣元としても当該労働者のために新しい派遣先を確保する努力などが強いられ、労働契約の維持が困難になることば容易に推測できます。

特に派遣元が倒産した派遣先に大量の労働者を派遣していた場合などは、その派遣元においては大きな苦境に立たされる場面も生じます。

派遣先の倒産は、派遣元にとっては派遣先都合の派遣契約の解除であるならば、残余期間に対する損害賠償を請求することもできます。

派遣元はこの間の損失を最小限に食い止める施策をとらねばなりません。

さらに派遣元では、労働契約が存在し、派遣先の倒産により労働者が休業状態に置かれたことになるから当該労働者に休業手当を支払う義務が生じます。

この場合の休業手当は労基法26条の定めに従い、平均賃金の100分の60以上の額となり、休業期間中支払い続けなければなりません。

当該労働者に対して新しい就業先も見当たらず、休業手当の支払いも継続できなければ解雇予告手当を支払い、解雇に蹄み込まざるを得なくなります。

派遣元が倒産した場合は、派遣契約も労働契約も途中で終了となります。

この場合は民法の規定が適用されます。

民法631条は、「使用者が破産手続開始の決定を受けた場合には、雇用に期間の定めがあるときであっても労働者、または破産管財人は解約の申し入れをすることができる」とし、さらに「この場合において、各当事者は相手方に対し、解約によって生じた損害の賠償を請求することができない」と規定します。

しかしこのような場合、実務的には、労基法20条により、30日前に解雇予告をするか、30日分の解雇予告手当を支払うかの方法がとられるがいずれにしても派遣労働者は解雇されます。

派遣先の倒産に伴い、派遣元に対して派遣料が滞納されているような場合であっても、派遣元には労働者の雇用主として賃金の支払義務があります。

このような場合派遣j引こ請求して、支払時期、金額等を確定するようにする必要があります。

賃金は2年間請求しないと時効になります。

請求したにもかかわらずその賃金が支払われない場合は、労働者は労働条件通知書や就業条件明示書、給与明細書、勤務記録などをできる限り用意し、労働相談情報センターや労基署などに相談します。

<派遣元が派遣契約を解除できる事項>

派遣先が以下の規定に違反した場合には、派遣元は労働者派遣を停止したり契約を解除できます(法28条)。

@派遣契約に関する適切な措置を講じないとき

A適正な派遣就業の確保ができないとき

B派遣可能期間を超え労働者派遣により役務提供を受ける場合

C派遣労働者を雇用する努力の怠慢

D派遣先責任者の不選任

E派遣先管理台帳の不作成および無記載

F特殊健康診断結果の末送付・失念

G労基法、安衛法、じん肺法等の派遣先に係る適用規定違反


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