派遣元責任者の選任
派遣スタッフについて適正な雇用管理を行うため、派遣法では、派遣元の雇用管理上の責任者を明確にすることとして、「派遣元責任者」 の選任を義務付けています。
この派遣元責任者は、次に掲げる事項を行うことになります(派遣法第36条)。
<派遣元責任者の職務>
@派遣スタッフであることの明示など
A就業条件の明示
B派遣先への通知
C派遣元管理台帳の作成、記載および保存
D派遣スタッフに対する必要な助言および指導の実施
E派遣スタッフから申出を受けた苦情の処理
F派遣受入期間の制限に抵触することとなる最初の日以降継続して派遣を行わない旨を、派遣先および派遣スタッフヘの通知
G派遣スタッフの個人情報の管理に関すること
H派遣スタッフの安全衛生に閲し、その事業所の安全衛生に関する業務を統括管理する者との連結調整
I派遣先との連絡・調整
一般労働者派遣事業では、派遣元責任者を次の要件に該当する者から選任しなくてはなりません(派遣法第36条)。
1 次のいずれにも該当しない者
@禁錮以上の刑に処せられ、または派遣元事業者の「許可の欠格事由」のうち一定の規定に違反し、または罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなつた日から起算して5年を経過しない者
A成年被後見人もしくは被保佐人または破産者で復権を得ないもの
B一般労働者派遣事業の許可を取り消され、当該取消しの日から起算して5年を経過しない者
C一般労働者派遣事業の許可を取り消され、または特定労働者派遣事業の廃止命令を受けた者が法人の場合で、その取り消し等の処分の原因となった事項が発生した当時に法人の役員であつた者で、取り消しまたは命令の日から5年を経過しない者
D一般労働者派遣事業の許可の取り消し等の通知があった日から処分をする日または処分しないことを決定する日までの間に事業廃止の届出をした場合、その届出日から5年を経過していない者
E法人である場合、聴聞の通知の目前60日以内にその法人の役員であった者で廃止届出の日から5年を経過しない者
F暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
G未成年者
2 法律で定める要件、手続きに従って選任されていること
3 住所および居所が一定しない等生活根拠が不安定でないもの
4 適正な雇用管理を行ううえで支障がない健康状態であること
5 不当に他人の精神、身体および自由を拘束する恐れのない者であること
6 公衆衛生または公衆道徳上有害な業務に就かせる行為を行う恐れのない着であること
7 派遣元責任者となり得る者の名義を借用して、許可を得ようとするものでないこと
8 一定の雇用管理経験を有する着であること
9 職業安定局長が委託する者が行う「派遣元責任者講習」を受講(3年以内)した者であること
10 外国人にあっては、原則として、教授、芸術、永住者等のいずれかの在留資格(「出入国管理および難民認定法」別表第1の1、2、別表2)を有する着であること
11 苦情処理の場合に、派遣元責任者が日帰りで往復できる地域に労働者派遣を行うものであること
(※2〜11は一般労働者派遣事業の許可基準)
また、特定労働者派遣事業については、資格能力は要求されていません。
しかし、行政指導により、一般労働者派遣事業と同様に、派遣元責任者が労働関係法令に関する知識を有し、雇用管理に閲し専門的知識または相当期間の経験を有する者を選任することが適当とされています。
派遣元責任者は、事業所ごとに、派遣元が自ら雇用する労働者の中から事業所に専属の者を選任する必要があります(派遣則第29条)。
この場合の専属とは、派遣元責任者がその並兼務のみを行うということではなく、他の事業所の派遣元責任者と兼任しないという意味です。
また、派遣元事業主 (法人の場合はその役員)を派遣元責任者にしてもかまいませんが、株式会社および有限会社の監査役については、使用人を兼ねてはいけないという制限があり、派遣元責任者として選任することはできません。
そして、事業所の派遣スタッフ100人までを1単位として、1単位について1人以上ずつ選任しなければなりません。
さらに、「物の製造の業務」については、「製造業務専門派遣元責任者」を選任しなければなりません(派遣則第29条3号)。
一般労働者派遣事業の派遣元責任者については3年ごとに、特定労働者派遣事業の派遣元責任者については可能な限り、派遣元責任者講習を専へ講することとされています。
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